cяimson moon 赤い月 extra

机の上に立ち、伸びてくる二宮と前田の手からお菓子が入っているであろう紙袋をガードしていた高杉が、とうとう教室を飛び出した。

机を軽く2、3台飛び越える跳躍力と、アスリートも真っ青なスピード。

陸上部にでも入って、汗水垂らす健全な高校生活を送れよ。


「挟むぞ。」


「ラジャ!」


高杉を追って、二宮と前田も教室を出ていく。

息合いすぎだろ。
結婚なんてされた日にゃ、出来る子供の将来まで不安だ。

小山は『アホだ、アホだ』などと爆笑している。

いっそ、おまえも出てってくれよ。


(どーすりゃイイの?コレ。)


多少静かになったものの、誰も聞いていない明日の連絡事項をボソボソと喋った佐々木は、背を丸めて教室を出た。

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