cяimson moon 赤い月 extra

バァン!!

ガラスが割れたんじゃないかと心配になるほどの勢いでベランダの窓が開き、うさぎが身を竦ませた。


「うさぎぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」


「ひっ?」


景時の迫力に怯え、思わず身を翻して逃げようとするが…


「縛鎖ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


大声と共に後ろから襲いかかる金の鎖に、上半身を絡め取られた。

有無を云わさぬ強い力で、部屋に引きずり込まれる。

フローリングの床に叩きつけられる衝撃に備えて、うさぎはキツく目を閉じた。

だが、衝撃は来なかった。

巻きついていた鎖が消滅し、代わりに、細く見えるがしなやかな筋肉がついた逞しい腕が身体に絡みつく。


「オメェ…
ナニやってンの?
いったいドコに…
逃げれるワケねぇ…
え?
ほんとに逃げたの?
捕まえるよ?
てか、捕まえてンじゃん。
良かったぁぁぁ…
あら?
イイの?
逃げたの?
俺から逃げれるワケねーよ?」

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