cяimson moon 赤い月 extra

桜の蕾も膨らみ始めたある日の午後、薫はベンチプレスに勤しんでいた。

別にジムに通っているワケではない。

彼の部屋が、既にジム化しているのだ。

ここで薫は日々決まったメニューをこなし、肉体を作り上げるコトを楽しんでいる。

だが今日は…

ピーンポーン…

ジャマが入ったようだ。

めんどくさ。
無視するか。
すぐ諦めンだろ。

ピーンポーン…

諦めマセンカ。
ソーデスカ。

春休み中だが、今日は特に約束はしてないハズ。

仕事なら、先に携帯に連絡があるハズ。

じゃあ訪問販売的な?

やっぱ、無視…

ピーンポーン…

させてくれないようだ。


「チっ」


薫は不機嫌丸出しの顔で立ち上がり、玄関に向かった。

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