cяimson moon 赤い月 extra
「?!」
目の前で繰り広げられるハイレベルな箸の応酬に、黒曜は固まった。
なんなんだ、この飢えた獣は。
まさか、久しぶりの飯とか?
「…
食卓は、いつも戦場なのか?」
「二人共、育ち盛りですからねぇ。
ハっハっハっ」
「…」
さも当然という、ワインを口にして超ご機嫌な秋時の答えを聞いて、黒曜は口を噤んだ。
マルゴーは五大シャトーの中でも、女性的で繊細なワインだ。
旨い。
うさぎも気に入った様で、少し早めにグラスを空けた。
「紅玉、呑み過ぎンなよ。」
「わかっておる。」
「?!
うさちゃん、うさちゃん!!
お酒、弱いの?」
どことなく夫婦チックな黒曜とうさぎの会話に、慌てた景時がすかさず割り込んだ。
「人並みだと思うが…
黒曜は心配性なのじゃ。」