cяimson moon 赤い月 extra

いくら強化しても、景時のガードには致命的な穴がある。

グランドの花壇の縁に腰かけて、本を読みながら体育の授業を見学するうさぎに、A子は近づいた。


「あああの…
私も見学で…
隣、座ってもイイ?」


「うむ。
座るが良い。」


本を閉じてA子を見上げたうさぎが頷いた。

こんなに近くで彼女を見たのは初めてだが、本当に綺麗だ。

心拍数と血圧が上昇する。

大きな瞳に吸い込まれそう。

ナニ食ったらそんなふうに育つの?

ズルくない?

心折れそう…

いやいや。
頑張るのよ、A子!

『恋バナしようよ☆』
なノリで、彼女が彼をどう思っているのか聞き出さなければ。

もしも
『しつこくて、ちょっと迷惑してるのよねー』
なんてコトになれば、最大の敵は最大の味方になるかもしれないのだ。

頑張るのよ、A子!

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