cяimson moon 赤い月 extra

威厳に満ちた声に一瞬怯んだならず者たちは、声の主を視界に収めて劣情を燃え上がらせた。

オニだ。
だが、お目にかかったこともないような、美人…


「へ… へー。
アンタが代わりに相手してくれンなら、放してやっても…」


デザートナイフを指で弄ぶ美しいオニに近寄ろうと、ならず者は机に手を着き立ち上がる。

オニの手首が、目にも留まらぬ速さで振られた。

サク…

今度はなんの音?

ならず者の小指に添えられるように、机にナイフが刺さっていた。


「相手をしてやっても良い。
有り難く思え。
何本指を落とせば、そなたは大人しくなるのであろうな?
楽しみじゃ。」




へー、指落とせンだ、デザートナイフ。
それも知らなかったわー。

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