cяimson moon 赤い月 extra
…
土に?
一瞬で?
短時間にも程があンだろ。
「モウ、十分デス…」
サラサラと流れ出る土を茫然と眺めながら、秋時が言った。
「これで?
『ばいと』とは、楽なものじゃな。」
いや、フツー楽でもねぇから。
うさぎダケだから。
生え際から黒くなる髪を靡かせる彼女の後ろ姿を、景時と秋時は口を開けたまま見送った。
鬼神、半端ねェ…
後日、うさぎに届いた小切手を見た景時が、秋時に電話をかけた。
「コレ、桁一つ少なくね?
フツー解体費用って、ウン千万…」
『やっぱ労働は、汗かいてナンボでショ。
その辺のキビシさを可愛い生徒に教えなきゃね、教育者として。
てなワケで、残りは学園への寄付ってコトで!』
プチっ!
…
教育者、半端ねェ───!!
とは言え、これだけあれば好きなダケ買い物にも行けるだろう。
バイト危機はひとまず去った。