cяimson moon 赤い月 extra

「景時!」


「!
うさぎ!!!」


彼らの教室より一階上、図書室や多目的室に繋がる渡り廊下で、彼らは互いを見つけた。

走ったままの勢いで、うさぎが景時に飛びつく。

ラリアットなんてシマセン。
景時はその細い躰を受け止め、軽々と抱き上げた。


「妙な奴らが…
景時、殺っても良いな?!
殺っても良いのであろうな?!」


「ナニがあった?!」


景時の首筋に顔を埋め、縋るように抱きつくうさぎに、景時は鋭く問うた。


「妾の助けが要ると言われ、着いて行ったのじゃ。
そこはてれびや、妙な人形が並んでおる部屋で…
妾に、踏めと…」


「「踏め?」」


景時と、追いついた薫が声を揃えた。


「踏めぬと言うたら、足に縋ってきたのじゃ。
鬱陶しいので蹴ってやったら、見ていた他の者も身を屈め、足に群がり、もっと蹴れと言う。
あの者ら、奇妙じゃ。
憑かれておるのやも知れぬ。」

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