cяimson moon 赤い月 extra

ある日の明け方部屋に帰ると、そのロッキングチェアでうさぎが眠っていた。


(ぅおお…
まじで?)


景時は足音を立てないように近づき、正面に回ってしゃがみこんだ。

クッションとお揃いの柄のブランケットを膝にかけ、片手は肘掛けに、もう片方の手はおなかのあたりに添えられている。
うさぎの白い頬に長い睫毛が影を落とし、紅い唇が薄く開かれ、男物のYシャツに包まれた胸が微かに上下して…


(ガチだ!
寝てる!
超可愛いぃ!!
てか、コレどーすんの?!
俺?!)


真っ赤になって動揺するが、無意識の体重移動に床が立てた微かな音に正気を取り戻し、ピタリと動きを止める。

もう一度、そっとうさぎを覗き込むが…起きた様子はない。

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