cяimson moon 赤い月 extra
「景時。」
不意に、灰になった景時の襟をうさぎが掴んで引き寄せた。
ほぼ死体のため、なんの抵抗もなく身を屈めた彼の唇に、紅く艶やかな唇が‥‥‥
…
薫が口元を手で覆って後退る。
オタク様方から悲鳴が上がる。
泣き出した者さえいる。
景時から身を離したうさぎが、腰に手を当て胸を反らした。
「見たか、貴様ら!
妾と景時は既に深い仲じゃ!
別の娘を捜すが良い!!」
美人で乙女とか、やっぱ夢か?
やっぱ、二次嫁でイイわ。
諦めんな、同士よ!
ブツブツと呟きながら、肩を落として去っていくオタク様。
「これで良し!
帰るぞ、景時。」
うさぎは満足そうな笑みを見せ、踵を返して歩き出す。
「…
俺、死んでた?
なんか…
重要なコトが起きたような…」
「…
わかんなくてイイんじゃね?
今のは… 害虫駆除だろ。」