cяimson moon 赤い月 extra
(ダイヤの原石どころのレベルじゃないわ。)
女神を目にした女は思った。
女は、小さな芸能事務所の経営者。
何を隠そう、彼女自身華やかな世界に憧れ、十年前に上京した一人だった。
だが、数年間鳴かず飛ばず。
夢破れて、転身を余儀なくされた。
しかし芸能事務所を立ち上げてから、女の才能は開花した。
ダイヤの原石を拾い、磨き、育て上げる。
既に期待の新人と呼ばれる若い才能を世に送り出すほどになっていた。
それにつれ、女の知名度も上がる。
若く、美人で、やり手の芸能事務所所長。
憧れには手が届かなかったが、それなりに持て囃される身分になれた。
だが、欲望は尽きない。
もっと注目を集めたい。
その為にはもっと多くの有能なタレントを抱え、事務所を大きくしなければ。
そして女は女神を見つけた。