cяimson moon 赤い月 extra

チベットって直通の国際便ねぇよな、確か。

中国経由?
ネパール経由?

うさぎまでの最短ルートを探して、景時がパソコンとにらめっこして夜が明ける頃、うさぎが当たり前のようにベランダから帰ってきた。

サンタクロースのように、大きな白い袋を背負って。

感動の再会は、誰かサンのウザさ大爆発なので割愛…


「…プレゼントって、ソレ?」


景時は首を捻った。

だってうさぎが持ち帰った袋の中は、たくさんの石?てか岩?

うさちゃんがくれるならなんだって嬉しいケド、ソレなら家出しないでその辺の河原で拾おうよ。


「見ておるが良い。」


うさぎが唇の端を上げて笑いながら、拳大の石を小さな手で握った。


「へ?」


縮みだした石を見て、景時は目を丸くする。

どんどん小さくなる石が、白い手の中に収まって見えなくなった頃、うさぎが握った拳をそっと開いた。

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