cяimson moon 赤い月 extra

「うさちゃーん、行くよー?」


今日はイヴ。
思惑通り、クリスマスデートにはこぎつけましたYO!

イルミネーションが見えるオシャレな店も予約して、夜景スポットもリサーチ済み。
ポケットにはうさぎへのプレゼントもスバンバイOK!

うさぎだって、淡いピンクのニットワンピの上にファーがついた白いポンチョを着て準備完了のハズなのに…

部屋の隅にしゃがみこみ、景時に背を向けてなにやらゴソゴソしている。


「うさちゃん? ぅお?!」


景時が不安になってうさぎの背後に近づくと、急に首に巻いたマフラーを引っ張られた。


「動くでない。」


うさぎはそう言うと、中腰で身を屈めた景時の左耳に触れた。

…触れると言うより、弄られている…


「ふゃ?
うさちゃ、くすぐった…」


「これで良し。」


手を離したうさぎが、満足そうに頷いた。

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