cяimson moon 赤い月 extra

「愚かな。
毎度好いた女に死を覚悟されていては、男は安心して愛を囁けぬではないか。」


あー…
『死んでもいいわ』が、気に入らないのネ。


「ただの言い回しっつーか、言葉遊びみたいなモンだから、ソコまで深く考えなくてもイイんじゃね?」


景時は苦笑しながら、うさぎの頭に軽く手を置いた。

だが、うさぎはその手を取って小さな両手で包み込み、真剣そのものの表情で景時を見つめた。

もしかして… 返事?

来るか? 来るのか?

景時も膝を落としてしゃがみこみ、うさぎの赤い瞳を見つめた。


「案ずるな。
妾はそのようなことでは死なぬ。」









「あー…
えっと…
ありがとう…?」

< 75 / 212 >

この作品をシェア

pagetop