cяimson moon 赤い月 extra
歯を食いしばりながら。
背中に冷たい汗を感じながら。
景時は耐えていた。
(拷問だ…)
気づいてから、どれくらい経つのだろう。
酷く長く感じるが、数十分?
それともまだ数分?
動いてしまえば楽になる。
それはわかっている。
でも…
どう動く?
喪失感を伴うが、現状を維持できる動作。
熱い衝動に身を任せた、地獄への道が開ける動作。
理性と煩悩の狭間で揺れ動く。
(なんでこーなった…)
ベッドの中。
景時は絶望と欲望に苛まれながら、腕の中で静かな寝息を立てるうさぎを見つめた。