cяimson moon 赤い月 extra

ナニ、コレ?

コドモ扱いだよね?

ソレは違うンだケド。
ソレはイヤなンだケド。

俺は一応、うさちゃんを好きな男なワケで…


「片付けたら、林檎を剥いてやろう。」


やっぱり『あーん』してもらった夕飯後、うさぎが甲斐甲斐しく食器をまとめている。


「…
うさちゃん、俺のコト、コドモ扱いしてナイ?」


「そうか?」


ベッドの上から恨めしそうに見上げる景時の口元を丁寧に拭いながら、うさぎが優しく微笑んだ。


「動けるのに、動けぬと言い張る甘えん坊には、丁度よい扱いなのではないか?」


「え…」


寝室を出ていくうさぎが、一度だけ振り向いた。

さっきの聖母の微笑ではなく、悪戯で妖しい微笑みを見せて…

ドアが閉まった。

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