結婚白書Ⅰ 【違反切符】
彼女を送り届けて 家までの30分 今日の事を思い出す。
笑ったときの目がかわいかったな
魚の説明を片っ端から読んで 一人で感動して
ご飯をきれいに食べる子で・・・
気がつくと 良いことばかり浮かんでくる。
家に帰り着くと扶美子おばさんが待っていた。
「高ちゃん アンタ 和音さんとのこと承諾したんだってね よかった
ホテルで別れたっきり なーんにも連絡が来ないからやきもきしてたのよ
いま あちらから連絡があって お願いしますって よかったわね
これでお姉さんたちも安心ね」
あん? おばさん 今なんて言った?
和音さんとの事を承諾しただって?
どこを どうしたらそんな話になるんだよ!
「おばさん それ誤解 違うって ただ 明日会う約束をしただけだよ」
今度はお袋がしゃしゃり出る。
「だからねー それを承諾したって言うのよ お見合いってのはね
一回会って気が合わなければどっち
かが断るの アンタ 明日の約束をしたんでしょう?
それは”お受けしました よろしくお願いします”ってことなのよ」
いい加減にしてくれ!!
話にならない
何が”お受けしました よろしくお願いします”だ。