結婚白書Ⅰ 【違反切符】
腹ん中がムカムカして さっさと部屋をでた。

なんだよ あームカツク 俺の意見なんて全然聞きゃしない。



怒りにまかせて二階への階段をダンダンいわせながら上る。

ドアにも八つ当たりをして ”ダンッ”と盛大に音をならして閉めた。



ポケットの携帯が メールの着信音を知らせた。

メールを開くと彼女からだった。


『今日はありがとうございました 楽しかったです

家に帰ったらおばが待ってて 今日の事を話しました

でも すごく誤解してるみたいで困ってます

桐原さんにご迷惑がかかってませんか? 和音』



心の中に暖かいものが流れ込んでくる。

情けないけど涙が出そうだ。



ホントに良い子だよ

自分も辛いだろうに 俺の心配をしてくれてる

でも ここで彼女を認めたらおふくろ達の策にはまることになるしな~

あーどうすりゃいいんだー


とにかく今日は寝よう。

東京から帰ってきて いきなり見合いをさせられて 緊張して・・・疲れた



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