ヤンキー王子とラブレッスン④【完】
綺麗なアーモンド型の二重の目を細くして、かずくんは言う。


「煌の前に、オレに言うこと、なんかないわけ?」


かずくんが……。


あたしの口を押さえていた手を外してくれたから、言いたいことがあれば、きちんと言える状態になったけど……。


「…………」


あたしには、かずくんに言いたいことなんて、ひとつもない。


そんなことより、あたしは……。


「も……。
帰っていい……?」
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