ヤンキー王子とラブレッスン④【完】
出たっ!!
「あ、そうだ」
廃墟と化した病院の中、数歩歩いたところで、五十嵐くんがあたしを振り返った。
「心優。
こうして俺と手ェ繋いでるのと。
俺の腕につかまってるの、どっちがいい?」
そんなことを言いながら、五十嵐くんは、掴んだあたしの手をぷらぷら振った。
「俺はどっちでもいいから、心優に選ばせてやるよ」
「……っ」