アイのカタチ

「この前、会っただろ?あの女」

「は?」


この前ってあのギャル?


「カフェで会ったあの女」


やっぱあのギャルじゃん。


「つか何で他校なのに、この学校まで噂広がってんのよ」

「さぁな。だからお前には悪いと思ってる。けど、こうでもしなきゃアイツ引き下がんねぇんだよ」

「どんだけアンタは凄い男なのよ」

「だから悪いけど2カ月だけ頼む。2カ月もあればアイツ引きさがると思うから。…マジで悪いな」


“悪いな”

小さく呟かれたその言葉に、今までの感情が一気に冷める。


「うん…」


だから、つい頷いてしまった。

別にこの男の役にたちたいなんて思ってない。

そんな事これっぽっちも思ってない。


なのにさっき呟かれた言葉があまりにも申し訳ないって呟きだったから、ついそう言ってしまった。


まぁいいや。と言う気持ちと共にフッと小さく息を吐く。

それと同時に鳴った授業始まりの合図にあたしはベンチに腰を下ろした。




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