アイのカタチ
初夏が迫って来る青空。
学校の屋上から真っ青とした空に一本の飛行機雲をボンヤリと眺めながら、あたしは握りしめていた携帯を更にギュッと強く握った。
何が“アイツじゃなきゃダメ”だって?
ふざけんなっ!!
2年も付き合ってきたのに、突然もう終わりって…
しかも浮気してた女が本気で好きになったとか、ありえない。
あれ?
もしかして、あたしが浮気相手だった?
もう、どうでもいいけどさ。
でも、正直、辛い。
だって好きだったもん。
けど感情ってもんが許さなくって、たった今本気で忘れようとして今まで携帯に納まってたアイツのメールを全て破棄してやった。
って言ってもまだ途中。
澄んだ青空を見てすぐ、あたしはもう一度携帯に視線を戻し、指を動かした。