アイのカタチ
ずらっと並ぶ女性誌。
その中でも昨日発売された一番よく見る雑誌を手に取った。
パラパラと捲り最近の流行りものをチェックする。
その雑誌を見て、ふと思ってしまった。
前よりかは何かと薄くなってきた化粧。
それに毎日こまめにしてたネイルだって、最近では数日に一回程度。
ほんとに変わってしまった。
年上の彼に追いつこうとしてた自分。ちょっとは見栄を張ってたのかも知れない。
ダメだ、最近のあたし。
オシャレが命だったのに…
「えっ、」
スッと視界から消えた雑誌。
視線を向けるとさっきまで見てた雑誌が颯の手にあり、その表紙をジッと見てた。
「これ、見んだろ?」
「あー…うん」
「一緒に買ってやる」
「えっ、いいよ」
そう言ったあたしの言葉を無視して颯はレジに向かって、2冊の雑誌をポンっと置いた。
「…はいよ」
会計を済ませた後、颯は2つに分けられた内の一つの袋をあたしに差し出す。
「ごめん、なんか悪いね」
「別に。俺に付き合ってもらってるし」
そう言って颯はクッと口角を上げた。