アイのカタチ
「何?」
「誰かになんか言われたのかよ」
「何で?」
「急に態度変わり過ぎ」
「颯ってさ、ギャル好きなんだ」
「は?」
何言ってんだってな表情をする颯。
別に颯と付き合ってる訳でもないし、好きな訳でもない。
だけど、やっぱし周りの批判とか、そー言うの聞いたら居心地が悪い。
ギャルが好きならそっち系に彼女役頼め!って、そう思ってしまう。
あのカフェで見た女もギャルだったな。
「いや、そう聞こえたからね」
「あー…また噂かよ」
「噂って言うのかな、これ」
「つかな、俺がギャル好きだとは一言も言ってねぇからな。むしろそっち系、嫌いだから」
「あ、そーなの?って言うか、別にどうでもいいけど」
「あのなぁ、どーでも良かったら聞くな――…」
面倒くさそうに話す颯の声が一瞬で途切れる。
その颯の声を一瞬で奪ったのは少し離れた所を歩いてる元彼の存在。
その隣には女。
多分、あの女の所為で振られた。
まだ、未だに認めたくなくて――…
「おい、聞いてんの?美鈴?」
ジッと見つめる視界に颯の声と手が入りこむ。
目の前で颯の手が上下する、その隙間からボンヤリと見てしまった。
の、はずが一瞬で何かに遮られ視界が真っ黒になってしまった。