アイのカタチ
「いってーなっ!」
また馬鹿みたいに声を出すこの男。
「声、出さないでよっ!」
「お前が叩くからだろーが」
「だって、あたし酷い言われようなんですけど」
「そうか?」
「そうでしょ!?」
小さく声を出すのも正直疲れる。
もっとガツンと言ってやりたいけど、そうにもいかない。
「気にすんなよ」
「アンタの所為でしょ!それに寝ないでもっとこっちだってば!!足が見えるって!」
颯の腕を更に引っ張って、身体を起す。
一番隅の方で身体を寄せる真横に、面倒くさそうにする颯。
密着度100パーセントって言うくらいの距離。
未だにあたしの手は颯の腕に絡まりついていて、顔と顔が触れ合う距離。
「美鈴ってさ、ほっそい身体してんのに以外に胸あんだな」
ありもしない颯の言葉に気絶しそうになる。
密着しすぎた所為で颯の顔があたしのシャツの隙間を覗き込む。
「ちょ、何よ!変態!!」
慌てて開いてるシャツを掴むと颯は意地悪そうにハハッと笑った。
もー、マジで勘弁。