アイのカタチ
「アンタも結構言われてますね」
小さく呟くあたしの声。
相変わらずどうでもいいって感じの颯はあたしの肩に頭を置き、携帯をイジる。
「あ?何?お前ヤりてーの?」
「んな訳ないでしょ!!」
「頼んだらヤってやるけど。ここでだけど」
「だからいいって!」
「あーあれだな。多分、お前が怒んの欲求不満だろ」
「はぁ!?」
「ちなみに俺、欲求不満」
「別に聞いてないってば!!」
ほんっと、この男。
なんなの!!
―――…
「あー!でもあたし美鈴先輩無理だわ」
「無理って言うか付き合ってる事自体ダメなんでしょ?あんたの場合は」
「よりによってあの先輩だからなー…」
「つか、どっちから振るんだろ」
「アハハ、何それ。別れる前提じゃん」
「絶対別れるって。美鈴先輩性格絶対悪いし、それに愛想つかした黒沢くんが別れるって」
「んじゃ、黒沢くんから振るって事じゃん」
「あたしはそのほうがいいけどね。振られちゃえばいいのに、センパ――…」
うっ!!と思わず息が止まりそうだった。
視界全部が颯の顔で、その挙句、唇に柔らかい感触が伝わる。
ちょ、ちょっと!!