アイのカタチ
「ゴメン、本当にごめんな。迷惑だったし傷つけてゴメン。でも、これで終わり。美鈴の気分も晴れるだろ?」
スッと離れた颯の身体。
早く来てほしいと思っていた2カ月なのに、来てみれば寂しい。
なんなの、この感情。
「颯…」
「どした?」
もう少しだけギュッとして。
なんて言えなかった。
だから何もないように笑みを作って首を左右に振る。
「何でもない」
「あ、そだ」
思い出したかのように颯はテレビの横に置いていた袋を差し出す。
「何?」
差し出された袋を受け取るあたしに、
「あげる」
そう言ってフッと微笑んだ。
袋を覗き込んでラッピングしてあるリボンを解く中に見えたのは香水。
「あたし颯に言ったっけ?」
「うん?何が?」
「あたしが使ってるの、これって」
だって言った覚えまったくないんだもん。