アイのカタチ

階段を降りながら何の用だろうと考え込む。

明日に備えて何かを言いに来たんだろうか。


思わず足の歩くペースがダウンする。

だけど階段を降りて先に見えるのは玄関。


しかも開かれた玄関の入り口で立つ千佳にソワソワしてしまった。


「千佳、どうしたの?」


開かれたドアの先をみると、もう真っ暗。

生温かい風がフワッと入りこみ、何故か躊躇って表情を変える千佳に首を傾げた。


「ちょ、ちょっといい?」


戸惑いながら千佳は外に指差す。

なんか、いつもと違う千佳に違和感を感じる。


先に足を進めて行く千佳を追って、あたしは外に出て千佳の傍まで足を進めた。


「千佳、何?」

「あ、あのさぁ…」

「うん」


ホントにいつもと違う千佳。

めったにと言うか、今までそんな表情を見た事はないに等しいってくらい。


「最近さぁ…美鈴、何かあった?」

「え?」


何それとでもいいたい言葉。

それって、わざわざここで言う話し?なんて思ってしまった。


って言うか、何もない。




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