アイのカタチ
「…はい」
ちょっと数秒おいての颯の低い声。
その声を聞くだけで心臓が激しくなる。
「…颯?美鈴、だけど」
「どした?」
「えっと、…今、公園に居るの」
「はぁ!?」
急に颯の声が大きくなった。
思わず電話を耳から遠ざけそうになった。
「だ、だから公園」
「何処の?」
「何処って、颯の家の近くの」
「こんな時間に何でいんだよ、馬鹿じゃねーの?」
「馬鹿って言わないでよ。颯に話しがあるから…」
「だったら電話して来い」
「今、してる」
「今じゃねーよ!来る前にして来いよ」
「あー…」
だって、そんなの考えもなかったもん。
ただ、逢いたくて。
逢いたくて。
早く颯に逢いたかったもん。