限りなく黒に近いグレー
保健室で気付いた私は、一時的な記憶喪失になっていた


誰が連れて来てくれたのか、解らない


どれくらい寝ていたのかも、解らなかった


体育館に戻ると、担任は


頭に当たったのだから、戻れるよ


と言った


そうだそうだ


とクラスの男の子が笑って言った



まだはっきりしない頭で、コートに戻り逃げまわった


後でクラスの女の子二人に支えられ、保健室に行った事を知った


理不尽な事には慣れてきていたが、担任の前での意地悪に私は呆然とした


私の意思など関係無く、世の中は進んで行く

私は心だけ早く大人になって行った
< 18 / 82 >

この作品をシェア

pagetop