限りなく黒に近いグレー
ある日図書室の掃除をしていたら、他の生徒達がサボり出した


私はいつもの様に何も言えず、黙々と雑巾を絞っていた


雑談していた一人の男子が、


これも洗っておいて…

と雑巾を私の方に投げた


雑巾は弧を描き、バケツに飛んできた


……綺麗にゴール


バケツの汚れた水は辺りに飛び散り、私も多大な被害を受けた


他の男子は苦笑い…


女子に至っては


やり過ぎじゃない…


と言って笑っていた


この時私は、私に意地悪をするから楽しいんだろうかと思った


私だから…


髪の毛から落ちる滴を見ながら、言い様の無い怒りが込み上げてきた


後に疑惑は確信へと変わる

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