限りなく黒に近いグレー

3・斉藤と言う男

ある夏の日、他の子の同伴に付き合う事になった


店が始まる前に、お祭りに行く約束をしたらしい


私は彼氏と行こうと思っていたので、面倒くさくて仕方無い


結局押し切られる形で承諾


そして斉藤も同伴の付き添いだった


120キロはある巨体を揺らし、斉藤は私に言った


付き合ってくれるなら、指名するわ…



冗談と捉えた私は、給料に繋がると思い軽く返事をした


すぐに後悔が始まったが、私には何も出来ない日々が始まる


斉藤は毎日の様に店に出入りした


連れの金が尽きると帰る


私を待ち伏せたり、とうとう家にまで押し掛けるようになった


日に日に私の食欲は失せ、睡眠不足になった
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