限りなく黒に近いグレー
バックミラーに、斉藤が追いかけてくるのが見えた


バンッ…


斉藤がトランクに手を付いた


私は無我夢中で、実家に車を走らせた


実家に着くと、丁度母が居た


私は大まかに説明した

母は


よく帰って来たね…


と強く抱きしめてくれた


私は大声で泣いた


どんなに不安で恐い夜を過ごしても、涙ひとつ出なかったのに


決して屈しては駄目だよ…

悪は必ず滅びるんだから…


母の言葉が、どんなに心強かったか解らない

また警察に話をしに行った


3日後、私はまた斉藤に襲われた


また待ち伏せをされた

ダッシュボードに斜めに押し付けられ、堅い革靴で胸を踏みつけられた


息が出来なくなり、意識が薄れてきた
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