限りなく黒に近いグレー
人目を引くには十分だったろう


ボーイの呼んでくれた警察が到着


とっくに斉藤の姿は無かった


逮捕しても釈放するし、駆け付けるのは遅い

私は不安でたまらなかった


車に戻るとルームミラーは壊れ、破けたコートとマフラーがあった

寒くも無いのに、震えが止まらない


到底運転は出来ないだろうと言う事で、警察に送って貰った


たまたま妹がアパートに泊まりにきていた


青ざめた顔で帰って来た私を見て、


なしたの…

何かあったの…


心配している妹に


何でも無いよ…


と言うのが精一杯だった


布団に入っても震えは止まらない


また寝れずに朝がきた

次の日、とうとう斉藤は逮捕された
< 54 / 82 >

この作品をシェア

pagetop