限りなく黒に近いグレー
行きたくないと泣く妹に祖父は、やっぱり飴をあげていた


タバコ臭い車内が嫌じゃなかったのは、そんな祖父が好きだったから


保育所での出来事も、ニコニコ聞くのが祖父の習慣だったのかもしれない



アマチュアなりに立派な写真家だった祖父は、知事賞など数々の賞を貰っていた


私達孫の写真も沢山残っている


花畑に座って居る私

泣き顔の妹

犬と遊ぶ姉妹



そこには愛しさが溢れていた


共働きの両親に代わって、旅行にも連れてってくれた


白鳥を見に行ったり、豪華なホテルの滑り台で遊んだり


あの頃、沢山の笑顔があった

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