限りなく黒に近いグレー
看護婦さんが背中をさすってる


私は嗚咽と号泣でわめいた


産みたかった…

ごめんね…

本当は産みたかった…

看護婦さんが


そうだね…今度は産もうね…


と優しくなだめてくれた


私はそのまま眠った


2時間程寝かされ、クラクラする頭でしんちゃんと帰った


皮肉にも病院から出た私は、お腹が空いてた

つわりが酷くて、ろくにご飯が食べられなかったのに


食べたラーメンは、涙で味がよく解らなかった


しんちゃんは私の言葉を半信半疑ながら信じてた


自分が父親だとそれなりに責任を感じて、泣く私にとても優しかった


親には2ヶ月程経って、やっと打ち明けた


申し訳なさで、胸が苦しくなった


また心配かけてしまった…

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