限りなく黒に近いグレー

3・風俗嬢

しんちゃんと出会ってから3度目の引越しをした


職場が替わり、住居が替わり、私は大きくなってきた不安と上手く付き合えると思っていた


仕事はそれなりにハードだったが、給料がよくあっという間に借金を返し終えた


私はこの職業向いてるな…


と思い2年が過ぎた


始めは戸惑って、客を満足させられない事が多くあった


最近では客あしらいも上手くなり、おこずかいをねだる余裕さえも出てきた


そんな時、かずと出会った


板金屋の彼は、私に全く興味を示さなかった

それでも頻繁に家に行くようになった


しんちゃんとの距離が開いていくのを感じた

その頃の私は、誰ともなく追いかける様だった

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