ブラックコーヒー
「その子…彼女?」



にっこりと笑いかけてくる彼女に、私は笑い返すことができなかった。



「…違うよ。」



その一言がひどく胸を締め付ける。

うっちーのときには肯定してくれたから…期待してる自分がいた。



「え、そうなの?」

「…あぁ。」



『離れていかれるのが怖いんだ』

『トラウマで』

『元カノ』

『早織…』



頭の中で記憶が繋がった。

そっか…そうなんだ。
この人が…斗真さんの忘れられない人。



「じゃあね、斗真。」



斗真さん…1度も早織さんを見ようとしなかった。
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