ブラックコーヒー
どんな意味かは、斗真さんの表情で分かった。



「美由里ちゃんにとってこんな関係よくないし、虚しいだけだと思う。」



私は助手席に戻ると、斗真さんの目を真っ直ぐに見つめた。



「…本当は、ただ俺のためなのかもしれない。」

「え…?」



斗真さんの…ため?



「…そんな目で見ないで。」



そう言って、困ったように笑った。


私、どんな目をしてるんだろう。

怒った目?
悲しんでる目?



「君の目は綺麗だから…惑わされそうになるんだ。」

「惑わされるって…。」
< 107 / 382 >

この作品をシェア

pagetop