ブラックコーヒー
なんとも言えない穏やかな雰囲気が漂った後、私は溜め息を吐いて言った。



「そうだよ、援交相手。…本気で、惚れてたけど。」

「…やっぱりね。」



何となく、気まずかった。
私だってそこまで鈍くないもん。



「ねぇ、みーちゃん。」

「…その呼び方、止めてもらえるかな。」

「え?」

「…未来の彼氏限定にするから。」

「…分かった、美由里ちゃん♪」



どこか寂しげに笑った彼は、大したことないとでも言いたげだった。



「なぁ、まだそいつのこと好きなんでしょ?」

「…うん。」
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