ブラックコーヒー
私のミスじゃん…。

そう思いながら顔を上げ、私は固まった。


だって……そこにいたのは、イケメンスーツだったから…。

どうしよう、これはチャンスかもしれない!



「お客さん、降りないの?」

「お、降ります!」



運転手さんの声で我に返った。

でももうこんなチャンス、2度とないかもしれない。



「あの、今度お礼させてください! ではっ。」



私は有無を言わさずそう言うと、急いでバスを降りた。



これが、私たちの、
幕開けだった。


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