ブラックコーヒー
「ぜーんぶ友チョコ! ある意味本命だよねー♪」

「ずりぃー。」

「あはは! またねー。」



男子たちと別れると、私は1人マフラーに顔を埋めて歩き出した。

外に一歩出ると、まさにそこは白銀の世界。
辺り一面雪で真っ白だ。



「寒いなぁ…。」



紙袋には友達にもらったたくさんのチョコが入ってる。

それからあと1つ。
鞄の中に1つだけ…チョコが入っている。



「斗真さん…。」



他でもない、彼の分。

渡せないなんて、分かりきってるのに。
なのに…何してるんだろう。


本当…バカみたい。
< 131 / 382 >

この作品をシェア

pagetop