ブラックコーヒー
分かってよって…むちゃくちゃだよ。

斗真さんは私の肩を掴んで顔が見えるまで距離を置くと、私の目をしっかりと見て言った。



「…新しい関係を、始めよう。」



その表情は優しくて…。



「新しい、関係…?」

「うん。皆に胸張って、堂々と言えるような、健全な関係。」

「それ、って…。」

「付き合おう、美由里ちゃん。」

「斗真さん…っ。」



涙が止まらなくて、ときどき嗚咽が漏れそうになった。



「いいんですか…? 私、下心の塊ですよ?」

「ははっ、何それ!」

「ほ、本当にです!」
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