ブラックコーヒー
「覚悟しとくね。」



そう言って私を抱き締める斗真さん。
私もそっと斗真さんの背に腕を回した。


初めて行為以外で抱き合った。

白い雪が静かに見守る中、寒さも忘れて。



「あーっ、美由里ちゃんラブラブじゃん!」



そんな声で我に返り後ろを振り返ると、同じクラスの男子がいた。



「男子と仲良くなったの?」



元々うちのクラスは男女の仲が良くなくて、1週間に1度喋ればいい方ってレベルだった。



「うん、髪切ったらなんか。」



私はここ最近、腰まであった髪を肩につくかつかないかギリギリまでバッサリ切った。
< 137 / 382 >

この作品をシェア

pagetop