ブラックコーヒー
「考えることは同じなんだなぁって。」

「…ははっ、似た者同士ってのも、悪くはないかもね。」



斗真さんは私の手を握り言った。



「ラッキーなことに明日休みだし…俺ん家来る?」

「…うん。」



初めての、家へのお誘い。



「じゃあ行こうか、“美由里”。」

「へ…。」

「今までは“美由里ちゃん”て呼ぶの俺くらいだったのに…他の奴もそう呼び始めたみたいだから?」

「何それ…。」

「特別感薄れるじゃん。」



また吹き出してしまった私。

案外子供なんだなぁ、斗真さん。



「…行こっか、“斗真”!」

「…うん。」
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