ブラックコーヒー
「みー…?」

「私が好きなのは斗真なの! だから…う、内村くんはいいの! ちゃ、んと振ったし…。」



最後の方はちゃんと斗真に聞こえたか分からない。

勢いに任せて言っちゃったから。



「…ははっ、そんな必死にならなくても。」

「だって…。」

「…うん。」



……恥ずかしい。

私は立ち上がると、寝室へと向かった。



「美由里?」



呼び方を使い分けるずるい斗真を無視して布団に潜り込んだ。

…寒い。



「美由里ー?」

「…寝る。」



ただの照れ隠しだけど。



「早! まだ9時!」
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