ブラックコーヒー
意味が分からない…。



「付き合うまでが楽しいの。」

「それって…!」



私は思わず手が震えた。
きっと、頭に来たんだと思う。



「ゲームみたいじゃん…。」



落とせるかどうかのゲーム。
付き合ったら、それで終わり…。



「…そうなのかも。」

「…そういうの、私好きじゃない。」

「うん。」

「止めなよ?」

「…あたし、本当に人を好きになったことないんだと思う。」

「…ん。」

「でもまぁ、しばらく止めるわ。」



杏はニッコリと笑って言った。



「美由里見てたら、羨ましくなっちゃった。」
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