ブラックコーヒー

□曖昧なまま

「え、何その煮え切らない感じ。」



と頬杖をつきながら言った杏。

その片手にはお昼のおにぎりがあった。



「好きじゃないって…どういうことよ?」

「どうと言われましても…。」



私はバレンタイン当日の経緯を杏に話した。

詳しいことはまだだったから。



「意味分かんない、ムカつく、うざい。」

「ちょっと、斗真の悪口言わないでよ。」

「だって有り得ない。」



そんなに言わなくてもいいじゃん…。



「そこまでしといて好きかどうか分かんないって何なの?」

「まぁ…確かにそれは思うけど…。」
< 174 / 382 >

この作品をシェア

pagetop