ブラックコーヒー
放課後、私と杏が帰るべく靴を履き変えていると



「美由里ちゃん。」

「内村くん…。」

「今帰り?」

「うん。」



野球部の内村くんは雪が積もるこの時期、ときどき部活がオフになるらしい。



「じゃあ一緒に帰るか!」



そういえば、内村くんはバス路線が同じで、それどころか降りるバス停も一緒なんだった。

ということは、それを拒む理由はないということ。



「んー…、んん…。」



斗真のことを考えると無理な話だけど…拒んだって意味がない…。



「ちょっと、あたしの存在忘れてない?」
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