ブラックコーヒー
悩む私に助け船を出したのは杏だった。



「でもお前バス乗ってすぐ降りるだろ。」

「…うるさいわね。」



あっさりと言いくるめられてしまった杏。



「ってことで、帰ろうか。」



今の私には、内村くんの満面の笑みが悪魔の笑みにしか見えません。



「寒っ…。」



外に出ると、辺り一面が銀世界だった。

そういえば、バレンタインのときもそうだったなー…。


なんて思いながら歩いていた。



「美由里!」



校門に差し掛かったところで、私を呼ぶ声があった。

顔なんて見なくても分かる。
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